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【旬の話題】「ハイブリッドダム(仮称)」に見る、国交省のカーボンニュートラル対策の本気度



新卒で入社した建設コンサルタント会社では、最初に配属された先が「ダム部」でした。もともと都市計画をやりたくて入った会社なのですが、忙しい部署に新人を集めるという社の方針があり、配属されました。


当時は、長野県の「脱ダム宣言」まっただなかで、ダムに対する逆風吹き荒れる中。必要性をどうやったらわかってもらえるのか、日々頭をひねりながらダムや治水、環境問題と対峙していました。


その経験があるので、「ダム」という言葉に誰よりも敏感になってしまうのですが、今回もその一つ。


「ハイブリッドダム」ってご存じですか?


このたび国交省が「ハイブリッドダム(仮称)の取組に関する サウンディング(官民対話)」を行うようです。

締め切りは8/1。たくさんの企業様の参加をお待ちしているとのこと。


私個人としては、「ハイブリッドダム」のなにが「ハイブリッド」かって、気になって仕方ありません。


ダムにある程度詳しい方なら「多目的ダムのことじゃないの?」と思われるでしょう。


確かに、国のハイブリッドダムの説明書きを見ると、以下の通り「治水機能の向上と水力発電の両立」と書かれており、ここだけ切り取ると多目的ダムと同じように見えてしまいますよね。


・「ハイブリッドダム」の取組とは、ダムを活用し、「治水機能の確保・向上」「カーボンニュートラル」「地域振興」の3つの政策目標の実現を図るものです。 ・ 気象予測技術の進展によるダム運用の高度化、最新の土木技術を活用したダム改造等により、治水機能の確保・向上とカーボンニュートラル(水力発電)を両立するダムの運用が可能となります。さらに、ダムで発電された電力を活用して企業誘致等を行うことにより、ダム所在地の地域振興にもつながります。 出典 https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001128.html

でも、この施策最大のポイントは、「ダムで発電された電力を活用して企業誘致を行うこと」にあります。


GAFAMの一角、googleは業務上の使用電力をすべてカーボンフリーにする目標を立てたり、Appleも製造業として事業活動に使用する電力の自然電力シフトを進め、サプライチェーン含めた製品のライフサイクルを通じたネットゼロを目指していたりします。出典


このようなカーボンコンシャスな企業を誘致するうえで、地域に再生可能エネルギーの供給源があることは、非常に有利になると言えます。



既存資産の活用で、再エネスピードUPと地域活性化


今、ロシアからのエネルギー供給が滞っており、世界規模で洋上風力をはじめとした再生可能エネルギーの開発ラッシュが起きています。日本でも経産省主導で一般海域での洋上風力発電事業の開発が進められていますが、事業化するまで10年近くのリードタイムが必要です。


さらに、ラウンド1の公募では一社総取りの結末を迎え、経産省はラウンド2の公募で発電量の上限を設ける方針を打ち出し、名だたるメーカーが日本での投資を手控える事態も発生しています。


他方、わが国には3000か所を超える既存ダムが存在しており、改修工事を行うことで新規の発電容量が確保できる可能性があります。

すでにある資産を活用することで、再エネシフトのスピードは急速化し、さらにネットゼロを標ぼうする企業誘致にも一役買うことになるこの施策。


脱炭素に取り組む新しい民間プレイヤーを巻き込みながら、ダムという貴重な資産の付加価値を高めていくこのアクション。


ダム好きとしては実に興味深く、官民連携を応援する立場としても全力で応援したい、そんな取り組みです。


多くの企業様の目に留まると嬉しく思っています!



サウンディング情報


ハイブリッドダム(仮称)の取組に関する サウンディング(官民対話)に参加する民間事業者等を募集します ~最新の技術等を用い、官民連携によりダムを活用した治水・カーボンニュートラル・地域振興の実現を目指します ~


https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001128.html


○ 近年の気候変動の影響による水害の激甚化・頻発化を踏まえた治水対策の更なる推進や、2050 年のカーボンニュートラルなど脱炭素社会の実現に向けた取組みの加速化を図るため、国土交通省では新たに「ハイブリッドダム(仮称)」の取組を進めていくこととしました。

○ 「ハイブリッドダム」の取組とは、ダムを活用し、「治水機能の確保・向上」「カーボンニュートラル」「地域振興」の3つの政策目標の実現を図るものです。

○ 気象予測技術の進展によるダム運用の高度化、最新の土木技術を活用したダム改造等により、治水機能の確保・向上とカーボンニュートラル(水力発電)を両立するダムの運用が可能となります。さらに、ダムで発電された電力を活用して企業誘致等を行うことにより、ダム所在地の地域振興にもつながります。

○ この取組にあたっては、新規参入を含む多様な民間企業と連携することで、水力発電の促進や、民間活力による地域振興の実現が可能であると考えております。

○ この取組は様々な手法が考えられることから、民間投資が可能な治水・水力発電を両立できる方策や民間活力を活かした地域振興等について、多様な民間企業等のご意見やご提案もお聞きしながら検討を進めていくこととし、今般、サウンディング(官民対話)に参加する民間事業者等の募集を行います。

○ 国土交通省では、民間の方々等のご意見・ご提案を参考に、今後、ハイブリッドダムの取組の方法や進め方等の具体化を図っていく考えです。


【事前説明会】※サウンディングに先立ち、事前説明会を開催します。

1)開催概要

 日時:令和 4 年 8 月 5 日(金)11:00~12:00

 形式:WEB(参加希望者に会議 URL を連絡します)

2)申込期限

 令和 4 年 8 月 1 日(月)13:00 まで


【サウンディング(官民対話)】

1)開催概要

 日時:令和 4 年 9 月 12 日(月)~10 月 7 日(金)〔予定〕

 形式:対面による個別対話(国土交通省内会議室)or WEB 方式による個別対話

2)申込期限

 エントリーシート(様式1)、事前ヒアリングシート(様式2)、

 その他関連資料(様式自由) :令和 4 年 9 月 6 日(火)13:00 まで


※ 事前説明会、サウンディングに関する実施要領、提出様式等の詳細については、下記ホームページをご確認ください。

【URL https://www.mlit.go.jp/river/dam/hybridsounding.html

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